映画を久しぶりに観た。
ある1場面。
ヒロインに対して主人公(男)が距離を縮めてくるのだが、彼女は「私なんかに構ったらあなたの人生が台無しになってしまう」的なことを言って、彼を拒絶しようとする。
彼女は自身を穢れていて、悪い人間だと思っていて、他のヒロインのように才色兼備ではないという劣等感を強く持っている。そういう背景からの発言。
それに対して主人公が「君が悪い人間なら、僕は君をずっと赦し続ける。だから生き続けて欲しい」的な応えを返す。
こうやって書くとまぁ、超ありがちな一場面なのだが。
僕は11月下旬くらいから働けなくなった。元気な時間は本を読むようにしていたが、年明けからは頭が回らなくてそれも出来ていない。つまり何も生み出せていないし、何もインプットできていない。
今は「生きることが仕事」だと頭では分かってはいるのだが、呼吸して心臓が動いているだけの自分に肯定感を持つのは、いざ自分が当事者になるとなかなか難しい。(※ 優しい言葉をかけてくれる友人・知人達のお陰で少しは持てています。ありがたいことです。)
要は今の自分は自己肯定感を失っているので、同じく自己肯定感を持てずにいるヒロインと自分とを重ねて観てしまった。
そういう気持ちを持った人間に対しての「君が悪い人間なら、僕は君をずっと赦し続ける。だから生き続けて欲しい」というのは、なかなかに相手の気持ちを理解したうえでの発言だなというか、不覚にも結構ぐっときてしまった。
この作品の他シリーズでは、この主人公のことが格好いいと思ったことはなかったんだけどなぁ。今回は初めて格好いいと思った。