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IT エンジニア。現在は働けておらず闘病中。いわゆる鬱です。

グロースハックがモノづくりを破壊する

(タイトルは、師の http://blog.nekokak.org/post/104851181351/ab からパクりました。すいません。)

何が駄目って、登録フォームを改善したり、ボタンのデザインを変えてみたり、導線を追加してみたり ... といったグロースハックと呼ばれる一連の施策は、サービス自体の魅力向上には1ミリも寄与しないからである。

登録フォームを簡素化すれば一瞬だけ新規会員数は増加するかもしれないが、こういう施策は長い目で見ればブレの範囲内の数字変化しかもたらさないことが殆どだ。サービス自体の魅力が「圧倒的に」変わらなければ、そんな施策を重ねたところでサービスの寿命が数日程度伸びるだけに過ぎないということだ。(この「圧倒的に」というところが重要で、 細かいことをいくら一生懸命やっていても、基本、否定的・懐疑的なユーザには効果はない。ユーザの意識を一変させるには、よほどの明確な差別化をしないとだめ。

Facebook の会員登録って、すげー入力項目が多かった記憶だけど、登録フォームの項目が多くて Facebook の会員登録やめた人っています? ボタンの色とか覚えてます? いないでしょ。艦これの DMM も登録面倒だったけど、新規会員登録が順番待ちになるほどだったよね。サービス自体に圧倒的な魅力があれば、新規登録しようとするユーザーにとって、登録フォームの入力項目の数やボタンのデザインなど、塵ほどの意味しか持たないと僕は思う。

それでも登録フォームの改善といったことを仕事でやりたがる人が多いのは、サービスの魅力をいかにして上げるかという問題は、非常に難しく施策の成功確率も低いので皆が避けたがる問題だからだ。

しかし、いかにしてヒットするサービスを作るかという非常〜〜〜に難しいが最重要である問題に真正面から向き合わずして、何がサービス運営者であろうかと僕は思う。分析して数字とにらめっこして、どのページにチューニングの余地があるか〜とか考えてる暇があったら、ユーザーに使ってもらえるサービスってどんなだろうということに頭を捻るのに時間を割くほうがよっぽど生産的だと思います。

最後に、ここまでケチョンケチョンに貶しておいて何だけど、グロースハックを 100% 否定する気はないのでその補足。

コンバージョンや新規ユーザー獲得/流入を 30% とか 50% とかのレベルまでがつっと上げる見込みのある施策ならやるべきと思います。なんで大幅な流入増加が見込める施策でないとやるべきでないかというと、登録フォームを簡素化したりボタンを直感的にしたりとかそういったサポートをしないとサービスの登録を途中で諦めるようなユーザーというのは、元々そのサービスを使うモチベーションの低いユーザーであって、仮に入会させたとしても大してサービスを使ってくれないと僕は思っているからだ。使ってもらうまで魅力が分かり得ないもの(斬新なスキームのゲームとか)だったらそういう施策をやる価値あると思うけど、まぁ普通ないよね。

あ、そうだあともう1つ捕捉。ここで書かれていることは所属する会社の施策の結果から得た知見ではなく、私個人の経験および意見です。


あー、このブログにはポエミィなことしか書かないって決めてたんだけど、仕事のことまた書いちゃったよ。。