シリコンバレーで投資先の米国スタートアップの発掘などをされている、Degital Grage社の 琴さん と会った。こんな日本人がいらっしゃったのか、と衝撃で今めちゃめちゃ興奮している。忘れないうちにメモ。
- ベンチャーキャピタルの中でY Combinatorはもう、別格。あそこはメジャーリーグのようなところ。完成度の高いプロダクトが出来ていることは選考に生き残る最低条件で、どれだけ沢山のユーザーを抱えているかが勝負になる。
- Paul GrahamのエッセイやLean Startupなど、書かれていること1つ1つを実践するのはものすごく重要で、そして難しいこと。だけどみんな、一度表面を撫でただけで理解した気になってしまっている。そしてその後同じような情報に触れても、「あー俺それ知ってるわー」でスルーしてしまう。あまりに勿体ない。
- …と、口で説教するのは簡単だけどそれはしたくないし、やっても相手に響かない。それらを実践した成功例・実績を自分が築くことで、ロールモデルを見せたいと思っている。
- 会社を説得して1人でこの地へ来て、4年間1人でビジネスをやり続けてきた。ここで成功する以外のことは考えていない。
- 組織はどんどん利用していくべき。*1
- 何をやりたいの?と聞かれて、あれもこれも、という状態は良くない。他のものを全て捨てることになっても良いというくらいにまで、たった1つの "成したいこと" を絞ることが大切。
- 何をしたいのか、具体的に、徹底的に突き詰める。たとえば、起業したい人なら、そこで止まってしまわず具体的に何をしたいかまで最低限突き詰める。
- 夢を現実にするには戦略が超重要。能力で押し通そうとしてはいけない。
- アメリカで勝負してみたいと思うならビザの問題をどうするか、調べまくって戦略を立てるべきだ。なんとかなるやろ、でこっちへやって来て、取り返しのつかないことになった(日本へ帰らざるを得なくなった)人を山ほど見てきた。
失礼にあたるかもしれないことを承知で書くけれど、琴さんは、自分が「良い」と感じるボーダーを絶対譲らず、世間にもてはやされているものでも自分が良さが分からないものについては、それをはっきり表明される方だった。
良さを理解しようとする努力も大事だけど、安易に自分の感覚を明け渡してばかりいては、何が本当に欲しいのか、何に心を震わされるのかの感覚が鈍ってゆく。これはという分野においては、どれだけ周りとズレていていも、絶対自分の感覚を譲るべきでないと思った。本心でなくても「俺もあれはいいと思うよ〜」と口に出していたらやがて心も狂っていく。
琴さんは、自分が何を心から獲得したいかを常に明確にしてきたからこそ、手近に手に入る賞賛に誘惑されることもなく、ここまで成果を上げてこられてきたのだと感じた。逆に手近な承認が欲しくなっている状態は、自分が本当に心震わされること・やりたいことが見えなくなっているサインなのかもしれない。
最優先事項をやり遂げる最大の障壁になるのはきっと、2番目・3番目に大切なこと(そしてそれを捨てられないこと)なんだ。今日はっきりと確信した。
お話しながら、SFの観光名所に連れていっていただいた。またこの地へ訪れて同じ景色を見るとき、自分は今日のことを思い起こすのだと思う。
解散の直前、晩ご飯をご馳走になっているとき、日本初のY Combinator発サービスがTechCrunchで取り上げられた ニュースが飛び込んできて、死ぬほど嫉妬した。